“まだ存在しないもの”を創り出し課題解決に挑み続ける「BEPPU PROJECT」

企業紹介

「BEPPU PROJECT」….別府で過ごしていたら耳にしたことがあるこの名前。別府駅からわずか徒歩3分にオフィスがあります。電車が通るのも間近で見られるこの距離。

しかし具体的に何をしているところなの?というよりまず企業なの???疑問がいっぱい浮かんでくる「BEPPU PROJECT」さんにお邪魔して、そんなモヤモヤを解消してきました。


お話を伺ったのは広報班の月田尚子さん、クリエイティブ事業班の小泉仁敬さん、アートプロジェクト事業班の立花泰香さんの3人です。

街のアートを手掛ける「BEPPU PROJECT」の正体とは?

どんな会社?何をしている?

瀧川「『BEPPU PROJECT(以下:BP)』とはどのような企業なのでしょうか」

月田さん「BPは、代表である山出淳也の『自分が子どもの頃にワクワクした別府の風景をアーティスト仲間に見せたら、どんな作品を作るんだろう』という思いから始まりました。別府にインスピレーションを受けて生まれるアート作品を山出自身が観たいと強く願っていましたし、それを地域の方々や観光客にも観てほしいと考え、別府で芸術祭を開催することを目標に活動を開始したんです。発足当初は山出の思いに共感した有志によるボランティア団体だったんですよ。

2009年に初の芸術祭を開催して以来、大型集客事業である芸術祭をマーケティングの場と捉え、会期中に様々なニーズや地域課題を見出し、その解決を図るための事業を展開してきました。例えば、アートを活用して公共温泉の利用や市街地の回遊などを促進させる事業などを実施しています。

また、大分県産品ブランドの『Oita made』は、地域で活動する中で多くの生産者と出会い、彼らが受け継ぎ守っている大分の景観や風土を伝えたいという思いをきっかけにはじまりました。これまで80ほどの商品を開発しています。現在は大分銀行を中心とした地域商社Oita Made株式会社として拡大を図っています。

BPは、アートやをクリエイティブを通して枠にとらわれず様々な活動を続けています

まだまだ謎は深いので、3人それぞれの班や仕事内容を伺いながらBPさんを丸裸にしようと思います。

同じ社内でも多様な仕事内容!具体的な業務とは?


瀧川「お三方ともそれぞれ班が違うと思うのですが、お仕事の内容やBPさんで働き始めた経緯も知りたいです」

月田さん「私はBEPPU PROJECTの活動を広報するのが仕事です。どのようにすれば、アートや芸術祭に興味をもってもらえるか、アーティストの想いが伝わるかを考えています。もともと東京の食品メーカーでマーケティングや広告宣伝を担当していたのですが、『地域・アートの世界に自分のスキルを還元したい』と思い、BPに入りました」

2017年の『西野 達 in 別府』で話題になった作品の思い出を語る立花さん。

立花さん「私はプロジェクトの運営やアーティストのマネジメントを行っています。会場運営をお手伝いしてくれるボランティアを集めるのも仕事のひとつです。日々、アーティストの構想を実現するために奮闘しています。どうやったら実現出来るのか、さまざまな業種の方に相談しながら試行錯誤を繰り返す日々です。

もともとは東北の美術大学で働いていました。任期終了のタイミングでBPの求人情報を見て、九州という離れた土地で働くことに不安はありましたが、思い切って履歴書を送りました」


小泉さん「僕はクリエイティブ・プラットフォーム構築事業を担当しています。大分県内の企業や事業者とクリエイターを繋げる仕事です。企業がもつ技術や商品・サービスに、クリエイティブな発想やアイディアをかけ合わせ、新たな価値やサービスを生み出していく事業です。

実は僕もAPUの卒業生なんですよ。一度地元で就職したんですが、学生時代お世話になったBPに戻ってきました」

段々と、BPさんの謎が解けてきました。班によってやっていることは様々なんですね。3つの班とも本当に魅力的な内容で、「え、素敵な仕事!」と全部ときめいちゃいました

“想定外が当たり前”BPの仕事のやりがい&ツライところ

瀧川「働く上でのやりがいやつらいことを教えてください。」


月田さん「私は広報の仕事なんですが、難しいのは作品が完成する前に広報しなければならないことですね。アートプロジェクト班の立花やアーティストに作品について説明してもらうのですが、ただでさえわかりづらい現代アート。これをどのようにわかりやすく、興味をもってもらうように伝えられるか、難しくて苦悩しています。と同時におもしろくやりがいでもありますね。つらいのは想定外のことが本当にたくさん起きること。でも知恵を出して解決していくのも楽しかったりします(笑)

小泉さん「僕はクリエイティブ事業に従事しているので、クリエイターの話を聞くことが楽しく、やりがいにつながっています。クリエイターは課題意識を常にもっている方が多いんですよ。想定外の意見が飛び出すことも多くて、自分とは違うものの見方で企業の問題を解決していくことに驚かされてばかりです。

つらいことは、、、“見えない不安”ですね。BPのお仕事は、ルーティンではありません。毎回新しくて、ゴールも異なります。それを手探りでやっていく感覚が大変なことかもしれないです」

立花さん「アート事業では、作品鑑賞を通して、お客さん同士のコミュニケーションが生まれる瞬間に立ち会えた時、やりがいを感じます。地元の方が観光客にいきいきと作品について説明していたり、展示会場で出会った人同士が作品の感想を述べ合っていたりする姿に出会うと嬉しくなります。また現在は、小学校や公民館などで子どもたち向けのワークショップを行っているのですが、彼らが熱心に創作に取り組む様子からはたくさんエネルギーを貰います。

大変なのは、イベントの開催が近づけば近づくほど、タスクがどんどん増えるところですね。優先順位をつけることの大事さを痛感します」

瀧川「アートやクリエイティブというお仕事だからうまれる大変さややりがいが、たくさんあるんですね」

アートと関わるお仕事ゆえのイレギュラーさが大変そうです。でも皆さん、大変なポイントがおもしろさに繋がっているようで素敵でした。大変だった時のお話を伺っても笑顔がキラキラしていて楽しそうでした。

仕事のツラさを解消する方法とは


瀧川「仕事でつらくなったらどうしていますか?」

小泉さん「温泉にはいります(笑)お昼休憩で温泉に行くスタッフもいますよ」

瀧川「別府ならではのリフレッシュ方法ですね!

お休みの日はどう過ごされていますか?ワークとライフのバランスについて伺いたいです」

月田さん「ワークとライフはわけているつもりです。移住してきたので大分・別府のことを知りたいと思って結構いろんなところに出かけていますね。お祭りに行ったり、観光地に出かけてみたり。そうしていたら仕事としては意識していないのですが、遊びが仕事に繋がってきたりしますね」

就活の年の私としては気になるところでした。遊びや日常の楽しみが仕事に繋がってくるって一番素晴らしいことですよね!

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瀧川「どんな人がBPさんに向いているのでしょうか」

小泉さん「様々な分野に興味がもてる人が良いと思います。毎年新しい事業やプロジェクトが生まれます。そのたびに興味と責任感をもって仕事が出来る人があっていると思います。」


立花さん「行政や企業、建築業、教育機関、福祉関係などなど、さまざまな職種の方と一緒にお仕事をする機会が多いので、それを楽しめる方が良いと思います。またここはスタッフ同士の距離が近いので、悩み事があればいつでも気軽に相談しあえる所が良い職場だと思います」

月田さん「あ、あと力仕事も多いので男性募集中です!」

年間を通じてスケジュール調整がBP流

瀧川「BPさんで働く上での特徴を教えて下さい」

立花さん「基本的には8:30に朝礼をして18:00終業です。お昼は1時間半の休憩があるのですが、とるタイミングは自由です。

働き方の特徴は、繁忙期と閑散期の差ですかね。「in BEPPU」や「ベップ・アート・マンス」など、芸術祭の準備期間や会期中はどうしても忙しいので、閑散期にまとめて休みをとるなど、年間を通してスケジュール調整をするイメージですね」

都会よりもチャンスが多い!? BPで働く魅力

瀧川「BPで働く魅力って、なんでしょうか?」

月田さん「普段出会えない人に近い距離で出会えることだと思います。例えば、都会の大きなプロジェクトだったら、100人のチームのなかの一人に過ぎなかったりします。しかし別府では、アーティストやクリエイターに自分の顔や名前を覚えてもらえる距離感で一緒にお仕事できるんです。地方の方が、こういうチャンスがあるなと思います。

東京や大阪のような都市圏に負けない事業規模で企画や広報をできるのが、BPの魅力だと思っています。正直、地方にこんな仕事があるとは思っていませんでした」

瀧川「なるほど!個人的に地方での就活を考えるうえで、そこをネックに感じていました。とても魅力的です!」

BP主催のアートイベントに潜入!

ここで突然ですが……別府でJOBJOBライターの“かず”こと福田和真です。今回はBP主催のイベント『関口 光太郎ワークショップ「新聞紙とガムテープで工作しよう!」』に潜入してきたので報告します。

関口光太郎さんは、地域性を活かしたアートプロジェクトを実現する個展形式の芸術祭『in BEPPU』の招聘アーティストです。


先日の取材でもお話を伺った立花さんが、実際にワークショップなどのイベントでどのようなことをされているか、見学させていただきました。

関口さんとワークショップの段取りを話しながら、てきぱきと動き回る立花さん。時間帯を変えるごとに、セッティングをしたり、受付で来場した方と積極的にコミュニケーションしたり。いろんな役割を的確に変えていたのが印象的です。


「本日のイベントの内容はどういったものですか?」と尋ねると、「新聞紙とガムテープを使った工作教室ですよ」と教えていただき大量のガムテープと対面!!


関口光太郎氏作「大人魚姫の城」

「ガムテープを使ったワークって楽しいの?」って思っちゃいましたが、いざイベントが始まってやってみると、これが意外と楽しいんです!ただただ新聞紙をくしゃくしゃにしてガムテープでぐるぐる巻いていくだけなんですけど、久しく忘れていたモノづくりの楽しさと言いますか、初めて紙粘土に触ったときのような感動がよみがえりました(笑)

参加者の対象は小学生~社会人と幅広く、大分大学の学生も数名参加されていて、みんなで1つの作品を作り上げるというコンセプトがピッタリとはまっていましたね。今回作成した様々な作品は「関口 光太郎 in BEPPU」で展示されるようなので、楽しみは尽きません。

まとめ

瀧川:お話を伺えて本当に楽しかったです。地方では東京や福岡など都市部の本社機能の仕事が難しいのでは、と思い込んでいた私にとって、目から鱗が落ちるお話でした。

作品の裏話なども聞け、私が見たあの作品の裏側ではこのような奮闘があったのだと思うと、もっともっと別府でアートを見ることが楽しみになってしまいました!

アートに関わるお仕事がしたい方は是非「BEPPU PROJECT」さんをチェックしてください!

福田:僕は学生のイベントにもよく参加しますが、大人と学生のイベントの違いは、ゴールを明確にしているか、またゴールを次のスタートにできているか、だと感じました。

もうひとつ、コース料理のように“段階を踏んで前菜を出しメインディッシュを盛り上げる”という手法に大人の余裕さを感じ、流石だと思いました。

何をやるにしても1度きりで終わってしまうのはもったいなくて、それで完結するならいいと思うんですけど、大抵のことはたった1回の何かで変わるものではないので…ってこの話をしだすと止まらなくなるので止めますね(笑)

今回はイベント当日しか参加できなかったので、今度は集客や広報などの舞台裏をぜひ見てみたいですね!

会社データ


取材先:NPO法人 BEPPU PROJECT
住所:〒874-0933 大分県別府市野口元町2-35 菅建材ビル2階
TEL : 0977-22-3560
MAIL: info@beppuproject.com
http://www.beppuproject.com/

【In BEPPU】
http://inbeppu.com/

【Creative platform: Oita】
http://creativeoita.jp/

【ばんだいさん(ボランティア)募集中!】
http://www.beppuproject.com/news/2572

取材&編集&テキスト


【本社訪問】瀧川 英恵(立命館アジア太平洋大学3回生)


【イベントレポート】福田 和真(立命館アジア太平洋大学3回生)

※「別府でJOB JOB」に込めた意味
「JOB」は、仕事、職、任務、役目などという意味があります。そして、別府といえば真っ先にイメージするのが温泉。温泉につかると「ジャブジャブ」と音がしますが、別府のワークスタイルを温泉のように学生(若者)に浴びてもらいたい、という意味を込めています。

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