守りと攻めの絶妙なバランス! 柔軟思考で革新を進める老舗企業「南光物産」

小売・卸売

こんな会社が別府にあるなんて!?「別府でJOBJOB」は、学生目線で地元企業の仕事や経営者・社員の魅力、就職情報を探り出し紹介する企画です。さあ別府で働こう!

 

別府でJOB JOBの記念すべき第10回目の今回潜入したのは、別府土産として有名な『ざぼん漬』を製造する「南光物産」さん。伝統を守る企業である一方、新商品の開発にも力を注いでいます。

“おばあちゃん家に行ったら出てくるお菓子”だけでは終わらない、守りも攻めもできる企業の秘密に迫りました!

南光物産とは?

伝統銘菓「ざぼん漬」をはじめとして、別府ならではのお菓子を数多く開発・製造している会社。昭和42年、別府土産として大人気だったざぼん漬を製造している4社が合併し、協業組合としてスタートしたのが会社の始まり。

伝統と革新の融合した働き方

今回お話を聞かせていただいたのは専務取締役の原口 智成(はらぐち・ともなり)さんです。

原口さんは東京に進学して業界大手のスーパーへ就職。東京へ行った当時は、実家に戻る気持ちはなかったと言いますが、別府にUターンし、家業を継ぎました。

竹村「南光物産といえば『ざぼん漬』ですが、他にはどんなものを製造しているんですか?」

原口さん「『かぼすグミ』や『焼やせうま』、調味料など自分たちで製造、販売をしています。普通の製造会社では、焼き菓子なら焼き菓子だけ、漬物なら漬物だけという商品展開が多いのですが、うちは幅広く商品の開発・製造をしているんです」。

竹村「なるほど。開発・製造・販売全てを自分たちでしているからこそ、アイデアを反映しやすいという強みがあるんですね。商品開発はどういった方々がされているんですか?」

原口さん「営業担当者からのお店からの情報や全体的な傾向をもとにヒントとして開発を進めています」。

昭和42年から続く伝統ある南光物産さん。伝統を残しつつ、今ある環境から新しいものを創造していく柔軟な姿勢は、Uターンして様々なものを吸収してきた原口さんだからこそ実現できるんじゃないかなぁと感じました。

革新その①『県内で一番のトイレを作ろう!と言ってホントに作っちゃったキレイなトイレ』

「ここのトイレも、当社ならではなんですよ!」と見せていただいたのは、売店のトイレでした。

淡い紫やピンク、黄緑の壁のグラデーションの色合い、完全バリアフリーで清潔感あふれるトイレは、思わず声を出して驚いてしまいます。

竹村「こんなにきれいなトイレがここにあるなんて‼ ビックリです‼ ついつい寄っちゃいたくなりますね」

海地獄と血の池地獄のちょうど真ん中にある南光物産のトイレ。歩いて地獄めぐりをしている方がふらりと立ち寄ることもあるそうで、魅力がいっぱいでした。

 
↑レジ横に「まるで極楽浄土」とトイレのことを紹介した新聞記事が貼ってありました。

革新その②『BEAMS とコラボレーションしたあたらしいみやげものの開発』

伝統を大切にし、新しいものを生み出す南光物産では、今年新たな取り組みとして、〔あたらしいおみやげ〕をテーマに、可愛らしいざぼんのキャラクター「ざぼんちゃん」をパッケージにしたざぼん漬を発売しました。

竹村「ざぼん漬は正直、食べたことがなくて。でもこんなに可愛いとお土産とかに持っていきたくなっちゃいますね。この文字も渋くていいですね」

原口さん「これ、実は社長手書きの文字なんですよ。以前は商品ごとに文字のデザインもバラバラだったので、最近ひとつに統一しました」

竹村「え――――――‼‼ すごく味のある素敵な字ですね」

原口さんのお話は、聞けば聞く程、驚くことがたくさんでした。伝統と革新を大事にし、チャレンジしていく姿勢には、聞いているこちら側も元気をもらえてしまいます。

 

いい匂い~!工場見学

南光物産では、銘菓『ざぼん漬』のほかにもさまざまなお菓子を製造しています。今回はケーキやまんじゅうなど焼き菓子を製造する工場を見学させていただきました!


↑こちらは『焼やせうま』を製造しているところ。ゴマの香ばしいかおりが鼻をくすぐります。


↑こちらは『ゆず一番』というブッセの生地。これをオーブンにいれると、ふっくらしたパンみたいなものに仕上がるんですね。焼きあがったブッセの間にジャムを挟めば完成です。

素早くジャムを塗っていく様子は、まさに職人技!といった風情。

みなさん手際よく作業されていました。同じ機械を使っていても、日によって作るものが違うこともあるそうですよ。様々な商品を手掛けているから、いろんな作業があるんですね。

 

それぞれの商品、名誉ある賞を獲得しています!

 

南光物産流の働き方とは?

竹村「ここでは女性の職員も多いですね。どのような働き方をされているのでしょうか?」

原口さん「正月の3日間だけは会社がお休みですが、ローテーションで仕事を組んでいます。休みもしっかりあり、ほぼ定時上がりなのでワークライフバランスもとりやすくなっています」。

竹村「定時上がりはすごく魅力的です!働き方もすごく現代的で、みなさん元気でイキイキしているのも納得です」。

今ある設備や環境を大切にしつつ、新しいものを創造していく南光物産。従業員の方も大切にされており、写真をとらせていただいた時の空気感も、とてもアットホームで素敵でした。

原口さん「今の従業員さんたちは、転職してきた人や、私のように別府出身で県外からUターンの方もいらっしゃいます。同じ工場でいろいろな種類の商品を作るので、まじめにコツコツ取り組める方、新しい土産の開発も行うので創意工夫できる方、前向きな方にぜひ働いてもらいたいですね」。

地元に根差した会社で、仕事と自分の時間をしっかりと両立できる環境だなと感じました!

また、常に商品開発などを行っているので、自分の思い描く「新たな別府名物」開発ができるかもしれない……という夢が膨らみます!若い人の意見も積極的に取り入れてくれる雰囲気がいいなと思います。

 

まとめ

今あるものを大切にし、伝統を守る南光物産さんですが、BEAMS JAPANと別府市の共同開発事業などに参加したり、新商品を次々生み出したり、新しく挑戦していくスタイルはとても印象的でした。

東京からUターンして仕事を継がれた原口専務だからこその、柔軟な経営スタンスやチャレンジ精神で、別府ならではの仕事をこれからも生み出していってほしいと思いました。

 

会社データ


取材先:南光物産株式会社
住所:〒874-0041 大分県別府市大字鉄輪1284番地の2
TEL:0977-66-4151
HP  http://zabon.shop/
Facebook https://www.facebook.com/zabonzabon/
E-Mail  zabon@theia.ocn.ne.jp

 

【売店紹介】

営業時間 9:00~17:00(定休日なし)
※お正月に3日程度お休みします


↑試食もたくさんさせていただきありがとうございました!

 


取材&編集&テキスト:竹村 悠(別府大学文学部4回生)

 

※「別府でJOB JOB」に込めた意味

「JOB」は、仕事、職、任務、役目などという意味があります。そして、別府といえば真っ先にイメージするのが温泉。温泉につかると「ジャブジャブ」と音がしますが、別府のワークスタイルを温泉のように学生(若者)に浴びてもらいたい、という意味を込めています。

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