『御宿 ゑびす屋』のあったか~い名物温泉・名物女将・看板猫ものがたり

観光・サービス

こんな会社が別府にあるなんて!?「別府でJOBJOB」は、学生目線で地元企業の仕事や経営者・社員の魅力、就職情報を探り出し紹介する企画です。さあ別府で働こう!



その昔、えびす様から「人が安らげる場を作りなさい」とお告げがあり、「御宿 ゑびす屋」は作られました。


創立者のひいおじいちゃんから受け継がれ、現在宿を切り盛りしているのは、女将の本田麻也さんです。


「御宿 ゑびす屋」は明治7(1874)年創業140年以上の歴史を持ち、2019年1月11日にリニューアルオープンしました!宿だけでなく、家族風呂や大浴場などの立ち寄り湯、岩盤浴も大人気です。

歴史あるお宿をひとりで切り盛りする笑顔の女将が「御宿 ゑびす屋」での働き手を募集中との情報をキャッチ!APU3回生の青木萌映が、お話を聞きお邪魔しました。

包容力がハンパない“別府のお母さん”!


とにかく、私は女将さんのお母さんのような、包容力の大きさに感銘を受けました!

女将さんの「『御宿 ゑびす屋』を好きな人に(お客さんとして)来て欲しいし、働いて欲しい」という言葉がとても印象に残っています。その言葉の真意とは?

家のような感覚で来て欲しい


ホテルや旅館では、荷物を従業員の方が運ぶ場合が多いのですが『御宿 ゑびす屋』では違います。

女将さん「荷物は各自で運んでもらい、ビールが飲みたくなったら取りに来てもらいます。これは『家のような感覚で、家にいるように思ってくつろいでほしい』からなんです。

昔の旅館のようになんでもやってあげるスタイルでありませんが、それを知ったうえで楽しみに来てくれるお客様が多いですね。その方にあわせたおもてなしを行っています」。

青木「『御宿 ゑびす屋』さんのおもてなしとは?」

女将さん「たくさんお喋りしたいお客さんもいれば、静かに過ごしたい人もいますよね。だから、“何を望んでいるかを考えて行動するのがおもてなし”だと思っています」。

画一的な接客ではなく、想いを大切にしているからこそ「また来たい!」と思ってもらえる。それってとっても素敵ですよね!

まるで家族?のようなスタッフとの温かい関係


青木「スタッフとのコミュニケーションをとる上で大切にしていることは何ですか?」

女将さん「みんなで何かを共にすることを心がけています。例えば、月に一度は必ずみんな一緒に宿のメンテナンスをします。網戸を張り替えたり、お風呂修繕が必要なら自分たちで見つけて掃除したりします」。

あえて業者さんに頼むのではなく自分たちで手をかけるからこそ、そこに想いが生まれ、愛が生まれるんですね。

女将さん「『何かできることはないか』を自分たちで考える、それが大事です。アルバイトの学生さんが将来社会人になった時、この経験が大切なんですよ。後々絶対に役にたつ。当たり前なようで難しいんですよ」。

学生のアルバイトでも、学べる環境が盛りだくさんでいいな…と感じました。

 

『ゑびす屋』で気持ちよく働ける理由

まるで家族のようにスタッフと接する女将さん。実際に働いている人たちの声を聴いてみました。

池辺光子さん


湯屋えびすのフロントや点検、掃除などを担当。勤務歴は12年!

青木「12年も働いているそうですが、長く勤められている理由はなんでしょうか?」

池辺さん「とにかく女将さんが優しくて働きやすいんです。私は子供が3人いるんですけど、病気とか学校の行事とか、急に休まざるを得ない状況も対応してくれて。普通の会社だったらクビになりそうだけど、女将さんだから働いてこれたと思ってます」。

梅木遥平さん

APU(立命館アジア太平洋大学)3回生のアルバイト。家族湯と大浴場の掃除などを担当。

青木「働いていて楽しいことは何ですか?」

梅木さん「外国人の方なんかが来て、案内するのが楽しいです。あと女将さんが優しくて、おにぎり作ってくれるし…ついこの間も昆布のおにぎりもらいました!」

女将さんと従業員のフラットな関係がすごいです!「女将さん」っていうと、もっと近寄りがたくで、気軽に話すなんてできないイメージでしたが、『ゑびす屋』さんまったく違いました。

『ゑびす屋』が家のような、スタッフの垣根を超えた関係性で、みなさんにとって安心して働ける場所なんですね。

以前働いていたスタッフ結婚の報告に来たり、家族を連れて泊まりに来たりするのも、女将の人柄が人を惹きつけている表れです!

 

16年のアパレル経験が女将の仕事に役立つ!?

アパレル業界で16年間、子供服のパタンナーをしていた女将さん。宿業を営む上で、前職と共通している部分はあるのか聞いてみました。

全ての答えは地獄蒸しにある?


女将さん「パタンナーの仕事は、とにかく細かい作業でした。数値などの正確性が大切だったので、そうした経験が地獄蒸しの盛り付けに活かされています」。

青木「地獄蒸しに活かす?特にどういった点でしょう?」

女将さん「例えば地獄蒸しの盛り付けであれば、どうすれば見た目が綺麗に見えるかといった色彩感覚はアパレル業界にいたからこそ培われたものですね。野菜を等間隔で切れるのも、細かいパターンを作っていたおかげですね!」

地獄蒸しを盛り合わせる際の彩りを考え、理想の色を求めて野菜を探しまわるのが楽しいそうです。女将さんの工夫が凝らされた写真はFacebookなどにもアップされていますので、要チェック(URLは記事の最後に記載しています)!!!

ゑびす屋の隠れウサギ?


子供服のパタンナーだった女将さん、デスク周りもカワイイものであふれていたんだとか。

女将さん「カワイイものがとにかく大好き!ウサギとかテディベアとかイチゴとかね。でも、『ゑびす屋』の雰囲気は和風だから思う存分飾れないんですよ。だから和風でも取り入れられるウサギを……と飾っているんです」。

たしかに宿の所々にウサギの置物がありました。そう考えるとなんだか探したくなりませんか!?気になった方はぜひ「御宿 ゑびす屋」に宿泊し、隠れウサギちゃんを探してしましょう!

アパレル業界と旅館業、まったく違う職業でもお客様をもてなす中で色彩感覚が活かされていたり、趣味を自然に取り入れたり。宿業は様々な細部までにこだわりをもって配慮をするんだな、と新たな発見がありました。

 

女将さんの敏腕右腕!ライムちゃん


ぜひとも紹介したい、「とにかくカワイイ」ライムちゃん!女将さんとの連携プレーがとにかくすごいんです!

お客様が帰られる時間になると女将さんの声に反応して、玄関までお見送りに来るんだとか。


実際に私たちが取材している最中にも、女将さんの声に反応してきてくれました。女将さんよりも先に先導を切って案内してくれて、とても癒されましたとさ。

【就活情報】カフェ経営や料理に興味のある人求む!


『御宿 ゑびす屋』では、女将の右腕となる人を募集中です。

青木「『御宿 ゑびす屋』のお仕事はどんな感じですか?

女将さん「働き方は、基本的に自由ですよ。私があれこれ指示するんじゃなくて、各自が動いて働いていますね」。

青木「女将さんの右腕となる人は、どんな仕事をするんでしょうか?」

女将さん「お客さんを部屋に案内することと、食事のお世話です。食事は地獄蒸しを提供するので、食材を盛りつけて、窯に入れて取り出してもらうのが主な仕事かな。

いわゆるメイドさんみたいな業務ではありません。カフェやペンションなどをやりたい人にはぴったりだと思いますよ!料理好きの人だとなお嬉しいですね。美味しい地獄蒸し料理の開発など、いろいろ提案してほしいです」。

青木「どんな人が働きやすいでしょうか?」


女将さん「人と話せる、それを楽しめる人が楽しく働けると思います。温和で、コミュニケーションの取れる人が適していますね」。

青木「勤務時間は長いんですか?」

女将さん「6:00~14:00と14:00~22:00の交代制です。長時間勤務ではないので、お子さんに手のかからなくなった女性なども大歓迎です!」

人と話すのが好きな人、自分から動いて宿を盛り上げてみたい人、将来カフェを開きたい人…、笑顔あふれる優しい女将さんのもとで働いてみませんか?

 

まとめ


おもてなしとは、来てくれる人に、最大限に尽くすことだと思っていました。しかし、それぞれのお客様によってコミュニケーションや会話を変え、“相手が望むようにふるまう”のが真のおもてなしだと教わった気がします。

できることはお客様自身でやってもらうなど、家のように感じてもらえる空間づくりをしている女将さんの、繊細な心遣いや気配り。そうした空間づくりは、スタッフの皆さんと女将さんとの信頼関係の上に成り立っているとも感じました。

働きながら自分も学び続けられる環境があり、周りと共に「御宿 ゑびす屋」さんを創っていける環境が素敵です!

 

会社データ


取材先:御宿ゑびす屋(0977-66-0338)、湯屋えびす(0977-67-5858)
大分県別府市明礬4組
http://www.e-ebisu.biz/

【Facebook】

御宿ゑびす屋 https://www.facebook.com/ebisuya.ryokan/
湯屋えびす https://www.facebook.com/ebisu.yuya

取材・編集・テキスト


青木 萌映(立命館アジア太平洋大学国際経営学部3回生)

※「別府でJOB JOB」に込めた意味
「JOB」は、仕事、職、任務、役目などという意味があります。そして、別府といえば真っ先にイメージするのが温泉。温泉につかると「ジャブジャブ」と音がしますが、別府のワークスタイルを温泉のように学生(若者)に浴びてもらいたい、という意味を込めています。

関連記事一覧