まるでSF !? 人とシンクロするロボットHAL®(ハル)が紡ぎ出す新未来

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別府のワクワク企業を大発見!地元企業の仕事内容、経営者・社員の魅力、就職情報を学生目線でご紹介します。さあ、別府で働こう!

別府に暮らす学生目線で企業を訪問し、仕事内容ややりがいなど、知られざる魅力を発掘する企画「別府でJOBJOB」。

初めまして。別府大学人間関係学科3年の下鶴賢太郎です。“別府でJOBJOB”初挑戦で第8回目の今回取材させていただいたのは、大分ロボケアセンター

ロボットによるケアとはどのようなものか気になりますね?大分ロボケアセンターではHAL® というロボットを上手に活用しながら、利用者一人一人に合ったパーソナルトレーニングを専門のスタッフがマンツーマンで行っています。

HAL®って何なの?

まずロボットスーツHAL®(Hybrid Assistive Limb)について説明します。

HAL®は体に装着することによって身体機能を改善・補助・拡張することができるロボットとして、研究開発されてきました。

世界でも類をみない自立動作支援ロボットで、装着者の「体を動かそう」とする意思に応じて動作します。ロボットがコチラの思いを自動的に読み取るので、スイッチを押したりレバーを操作したりする必要はありません。

このロボットを装着する利用者として、脊髄損傷や脳卒中などで下肢を自由に動かせなくなった方々や、高齢により脚力が弱くなった方々が想定されています。

HAL®を用いたトレーニング“HAL FIT®”は90分間、専門スタッフがマンツーマンできめ細かなサポートを提供します。座位から立位姿勢へ、そして立位保持、最終的には歩行可能になるように利用者一人ひとりの特性や性格に合わせてプログラムが組まれています。

学習塾に例えるならば、病院のリハビリは集団指導、HAL FIT®は1対1の完全個別指導という感じです。

最先端テクノロジーを駆使したHAL®を用いるため利用料金は決して安くはありませんが、病院のリハビリよりも自由度が高く、周囲の目を気にせずにのびのびと質の高いトレーニングを受けることができます。

HALFITⓇ Tourism in Oita(Japanese_SHORT_version) の動画はこちら

HAL FIT®はとても画期的で夢があると感じました。その評判を聞きつけてドイツなど海外からトレーニングを受けに来る利用者さんもいるようで、西日本で体験できるのは「大分ロボケアセンター」一ヶ所のみとのことです!

 

ロボケアセンターのイチオシ

取材者・下鶴のイチオシは、大分ロボケアセンターに常駐している専門スタッフの加藤聡さんです。

もともとトレーナーとしてスポーツをしている方々のトレーニングをサポートしていた加藤さん。高校卒業後、出身である別府を出たものの、いずれは別府に帰って職に就きたいという気持ちがあったそうです。今の職場ではトレーナーの技術を活かしながら様々な障害を持つ利用者さんのサポートをしています。

加藤さんはとても明るくフレンドリーな方で、その人柄に魅了されました。「利用者さんが楽しくトレーニングできるように常にアットホームな雰囲気を心がけていて、利用者さんのモチベーションや利用者さんとの信頼関係を大切にしています」とのこと。

「トレーニングに来る利用者さんは、真剣に前向きにがんばっている人が多く、僕の方が元気をもらうことも多いんです。みなさん目標を持ってやってくるので、そのサポートができたらうれしいですね」と、やりがいについてお話してくれました。

ロボケアセンターの本社であるCYBERDYNE(サイバーダイン)株式会社の提唱するテクノ・ピアサポートという言葉は、テクノロジーとヒトが相互に支援し合うことを意味しています。HAL®と利用者を繋いでいるのが加藤さんであり、まさにロボケアセンターのキーマンであると実感しました。加藤さんは歴史が好きで、ラジオもよく聞いているので詳しいので、ぜひぜひ歴史やラジオの話題を振ってみましょう。喜んでくれること間違いなしです。

 

驚きの連続!HAL®プチ体験記

実は今回の取材でロボットスーツHAL®の腰タイプバージョンを実際に装着させていただきました!機動警察パトレイバー、エヴァンゲリオン、攻殻機動隊などロボットアニメが好きな私は大興奮!!

興奮しすぎてHAL®のスイッチが入っていない状態でスクワットを開始!

下鶴「あれおかしいな。普通にきつい。HAL®作動しないな……」。

加藤さん「いやまだ電源入ってないですよ!」

という赤面する場面も。

スイッチが入るとHAL®のアシストが入ってスクワットを疲れることなく楽に行えるようになりました。

次にベッドから立ち上がる動作を体験。

HAL®のアシストのタイミングやパワーの調整がなかなか難しいなと思い加藤さんに尋ねてみると

「最初は利用者とHAL®のシンクロ率が低いので、徐々に慣れていけばシンクロ率が上がってスムーズにうごかせるようになります。継続が大事です」とのこと。

シンクロ率!!エヴァっぽくてカッコ良い」と勝手に盛り上がる私。

HAL®以外でもパワープレートという機器を使って加藤さんの丁寧なアドバイスのもと、エクササイズをしてみました。

このパワープレートは、振動による負荷をかけた状態で運動することで、一時間分の運動をなんと15分でできてしまう優れものです。サッカーのクリスティアーノ・ロナウドやテニスの錦織圭も愛用しているらしいです。

このようにHAL FIT®以外のパーソナルトレーニングもできます。加藤さんによれば、“運動不足で運動したいけど何から始めたらいいかわからない中高年の方”の利用大歓迎とのことでした。

体験を終えて、あっという間で新鮮で刺激的な時間を過ごせたなというのが感想です。HAL®は体験してみないとわからないので、みなさんにもぜひ一度体験して欲しいと思いました。障がいを持っている当事者の方は無料体験できます!ただし装着条件があるのでホームページもしくは直接問い合わせてご確認下さい。

 

【就活情報】興味ある人募集中!

人手が不足しているので、学生アルバイトも募集しています。SNSなど発信力がある人や、最先端のロボットに興味がある人など、いかがでしょうか?


↑経済産業省が選ぶ地域経済牽引事業の担い手の候補となる地域の中核企業「地域未来牽引企業」に選ばれました。

※地域未来牽引企業・・・地域内外の取引実態や雇用・売上高を勘案し、地域経済への影響力が大きく、成長性が見込まれるとともに、地域経済のバリューチェーンの中心的な担い手、および担い手候補である企業

http://www.meti.go.jp/policy/sme_chiiki/chiiki_kenin_kigyou/index.html

 

まとめ

未来の構想としてHAL®の目指すところは、誰でも簡単に使える補助ロボット、家庭用 HAL®の開発・実用化です。

医療や介護の現場でもすでに少しずつ実用化されているので、さらに改良化が進めば病院や福祉施設でHAL®を見ることもふえるはず。まだまだ費用が高く、利用条件も限定的で、認知度も低いHAL®。ですが、その分、これからいろいろな可能性を秘めていると感じました。

 

HAL®という最先端テクノロジーばかりに注目してしまいがちだった私。しかし、ロボットスーツHAL®を通じて加藤さんと利用者さんが“血の通った温かい”交流をしている様子が伝わってきました。仕事を支えているのはそこで働く人であるとしみじみと感じました。

HAL®を通じて加藤さん、利用者がともに歩んでいく明るい未来を私も一人のファンとして見守っていきたいです。大分ロボケアセンターの今後に皆さん是非ご注目ください。ありがとうございました!

 

会社データ

取材先:大分ロボケアセンター株式会社
住所:大分県別府市内かまど1393番地
Tel:0977-76-5537
(平日9時〜19時、土曜9時〜18時)
HP http://www.robocare.jp/oita/
Facebook https://www.facebook.com/oitarobocare/

 


取材&編集&テキスト:下鶴 賢太郎(別府大学文学部人間関係学科 3回生)

 

※「別府でJOB JOB」に込めた意味

「JOB」は、仕事、職、任務、役目などという意味があります。そして、別府といえば真っ先にイメージするのが温泉。温泉につかると「ジャブジャブ」と音がしますが、別府のワークスタイルを温泉のように学生(若者)に浴びてもらいたい、という意味を込めています。

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